「うるぁぁあ!今日という今日は許せん!委員長出せや風紀委員長!説教してやらぁ!!」
「僕が何」
「てめぇの部下のせいでこんちきしょーっ!折角磨いた・・ほら、あれ、その …廊下が、
 血まみれ、ていうかぁ… あの、えとすいません、やっぱなんでもないです」
「そ、じゃ廊下の掃除宜しくね」
「あ、はい」








「で、何。また風紀委員長の顔見て、帰ってきたってわけ美化委員長さん」
「やあ!生徒会長言うなー!もう自分で死にたいくらいに恥ずかしいから!」

 わぁわぁぁぁ、と がよりにもよって生徒会室で泣き叫んだから、隙ありま くりのケツを蹴ってやった。
 いたいぃぃっとさらに喚く結果となってしまって舌打ちをする。

「もぅなんであいつあんなに顔いいんだよぅ、あああむかつく!」
「だからといって、ふつーあんたみたいにあそこまで赤くならないけどねぇ、 恋してんじゃないの?ふふっ」
「顔がもうストライクゾーンなんだよぅ!そんだけ!」

 私がどれだけ風紀委員に迷惑を被っていることか!これはね、もう腐れ縁に近 いの!なんてったって中学生のころからだから その時からあいつには苦しめられてるのよぉぉ!大好きな学校をせっせと磨い ていく先から、あいつがかみ殺す、とか言って 校舎を血だらけにしていくのよ!それだけじゃない!代々、応接室は美化 委員が占拠してきたのにあいつがきてから形成逆転! きぃきぃぃぃ しかも中学の時なんてねぇっ、理由はよく分からないけれど校舎 が半壊になってたことがざらだったんだからぁ!

「って聞いてた?人の話。生徒会長さん」
「聞き飽きたよ。それよりまた出たよ、例のが」
「…またなの?」

  が、ピクとして一瞬にして真面目な顔になる。
 こうゆう所はさすがに何年 も委員長をやってきたことだけはあるな、て思う。

「どんなの、教えて」

  が言う。

「これ」

 該当する書類を に投げる。 はまじまじとその紙切れを見つめた。
 この事件には私だけでなく も心の底からご立腹なのだ。 というのも、ここ数週間で、学校中の至る所で植物が荒らされていた。 それは 花壇だったり、教室に飾っている花だったり。 あげくの果てにこの間は桜の木の枝まで、折られていた。
 校外からの侵入による仕業なら必ず目撃情報があるが、犯行が朝や昼間比較的生徒が出入り自由な時間にやられているにも関わらず、それは一切ない。
 防犯カメラの死角を利用していたりと校舎に詳しいため、内部の犯行とみている。
 一体誰の仕業か分からないが、修繕費もバカにならなく大変困っているのだ。
 早く犯人を見つけなければならないのだが、小賢しい犯人は中々見つからない。
 
 そして、昨日また出た。中庭の花壇が荒らされたらしい。
 その書類を今、 が見ているわけだが…

「ぉおい…ちょ、これ、荒らされたってとこ、私が一昨日綺麗に花植えたとこじゃね…?」
「そうだね」
「ふざけんなー!私の貴重な時間を返せー!自信作だったのに!赤い花と黄色 いひまわりが校舎の白い壁に
 生えて綺麗だったのにぃ!」

 これはもう殺すしかない…と はおもむろに鎌を取り出した。 草を狩り取る あの小さな鎌だ。
  が言うには相棒らしいが、その刃は草だけではなくあらゆるものが切れそ うなほど磨かれている。
 
 この子は強い。
 あの風紀委員長よりかは確かに弱いが(何せ は風紀委員長の顔を見て戦えない)、その実力をもって、一つ下の雲雀がくるまでは確かにこの が、並盛中学また並盛高校を仕切っていた。
 雲雀は雲雀で秩序を守るわけだが、 とは色々と気が合わないようで幾度とな く衝突を繰り返している。
 気がつけば、 はドアを開けて出て行っていた。見回りに行くのだろう。


「犯人は一体何が目的なんだろう…」


 私はもう一度、膨大な書類に目を通し、毎日学校の様子を記した日誌を調べることにした。








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